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  • 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える4

    【連想分析1】
    表2 受容と共生のイメージ合わせ

    A 「ケサ三ジ ナツコリュウコウセイカンボウデ シスカナシミキワマリナシスマヌノノムラ」今朝三時、夏子流行性感冒で死す、悲しみきわまりなし、すまぬ、野々村。
    意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1

    B 自分はやっとそう読んだ時のおどろき、悲しみ、こんな悲惨なことが現実としてあり得るかと思った。自分は泣きながら誰もいないところに逃げ込んで泣けるだけ泣いた。しかしいくら泣いても事実はどうにもならない。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1

    C あまりに残酷だ。あまりにひどすぎる。あまりに夏子がかわいそうだ。僕は実際どうしていいかわからなかった。一思いに海に飛び込みたいとさえ思った。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、人工知能 1

    D しかしその時、自分はもしかしたら、誰かの嫉妬のいたずらかとも思った。そういうこともあり得ないこともないと思った。それで自分はすぐ無線電信で、「ナツコノシンダトイウデ ンミタホントウトハオモワレナイガ ホントウカ」と野々村に打った。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1

    E 数時間後に僕は又電報を受けとった。「ナツコ三ヒマエヨリキュウ二ビョウキツイ二ナオラズ シラセタクナカッタガ ダイイチニシラセタカワイソウナヤツダ ツタダガ ウツクシクヘイワニシンダ キミコトキニシテシナヌトイッテタガ シンダアアボクモコンドホド マイッタコトハナイオサッシスルノノムラ」。
    意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1

    花村嘉英(2020)「武者小路実篤の『愛と死』の執筆脳について」より

  • 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える3

    3 データベースの作成・分析

     データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
     こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。

    【データベースの作成】

    表1 「愛と死」のデータベースのカラム

    文法1  名詞の格 武者小路実篤の助詞の使い方を考える。
    文法2 態 能動、受動、使役。
    文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
    文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
    意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
    意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
    意味3 思考の流れ 葛藤ありなし
    意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
    医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。購読脳「愛と死の対決と葛藤」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
    情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
    情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
    情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
    人工知能 抵抗と普遍 エキスパート システム 抵抗は、外からの力に対し、張り合い逆らうこと、普遍は、遍く行き渡り全てに共通して存すること。  

    花村嘉英(2020)「武者小路実篤の『愛と死』の執筆脳について」より

  • 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える2

     武者小路実篤(1885-1976)は、1938年成立の国家総動員法が発動された1939年に「愛と死」を出版する。また同年9月にヨーロッパでは第二次世界大戦が始まった。「愛と死」は、パリに留学する村岡と帰国を待ちわびる夏子の恋愛と死の対決を描いている。
     野々村夏子との恋愛で幸福の絶頂にいた村岡は、パリにいる叔父から手紙を貰う。以前一度だけパリに行ってみたいと手紙を出したことがあった。しかし、あまり乗り気ではない。それを夏子にいうと、夏子の兄も出てきて、背中を押してくれる。半年でもいい、見てくるだけでもいいから行って来いと。
     渡航を終えて帰国するシンガポールに停泊中の船上で、村岡は、野々村から電報を受け取った。二人の愛が実る手前でスペインかぜという流行性感冒により夏子が死んだためである。村岡の帰国を待つ母も含めて、村岡の中で幸福と不幸が交差する。
     スペインかぜは、1918年第一次世界大戦当時、スペインで発生し、全世界に広がった死亡率の高い悪質な流行性感冒である。伝染力が強く、今日の新型コロナウィルスを思わせるパンデミックの伝染病である。当時の予防や治療は今ほどではなく、戦中ということもあり、若いいい人の人生に死が与えられることは残酷だと思う人も多く、「愛と死」を戦争文学が溢れていた当時の軍国主義に対する実篤の抵抗と位置づける。
     小田切(2014)によると、「愛と死」の原稿から実篤の執筆中に小説の構想が変わったとされる。生と死の対決の中で夏子を死なせることを後から盛り込んだようだ。
     そこで、「愛と死」の購読脳は、「愛と死の対決と葛藤」にし、青春を謳歌する夏子という若いいい人を涙ながらに死なせてしまう実篤の執筆脳は、「抵抗と普遍」にする。そこで「愛と死」のシナジーのメタファーは、「武者小路実篤と抵抗」にする。 
     なお、スペインかぜの病原体は、A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)である。但し、当時はまだウイルスの分離技術が十分には確立されておらず、その病原体の正体は不明であった。ヒトのインフルエンザウイルスの病原性については、1933年にフェレットを用いた実験で証明された。さらに1997年8月にアメリカ合衆国アラスカ州の凍土より発掘された4遺体から肺組織検体が採取され、ウイルスゲノムが分離されたことによって、ようやくスペインかぜの病原体の正体が明らかになった。  
     これにより、H1N1亜型であることや鳥インフルエンザウイルスに由来することが証明された。よってスペインかぜは、それまでヒトに感染しなかった鳥インフルエンザウイルスが突然変異し、受容体がヒトに感染するように変化したものと考えられている。(ウィキペディアより) 

    花村嘉英(2020)「武者小路実篤の『愛と死』の執筆脳について」より

  • 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える1

    1 先行研究

      文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。 

       執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、本論では、トーマス・マン(1875-1955)、魯迅(1881-1936)、森鴎外(1862-1922)の私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923-2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動は、意欲と組になることを先行研究に入れておく。 

       筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。

      なお、メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。

      花村嘉英(2020)「武者小路実篤の『愛と死』の執筆脳について」より

    1. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える8

      4 まとめ  

       古井由吉の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「水」のLのストーリーをデータベース化し、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
       この種の実験をおよそ100人の作家で試みがある。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

      参考文献

      日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
      花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
      花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
      花村嘉英 日语教育计划书-面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
      花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
      花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方-トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018  
      花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
      花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する-危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
      古井由吉 水 (解説 川西政明、作家案内 勝俣浩) 講談社文芸文庫 1994

    2. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える7

      表3 情報の認知

      A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 1
      B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
      C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
      D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
      E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 1

      A:情報の認知1は③その他の条件、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は②問題未解決から推論へ、人工知能は①充足である。
      B:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は②問題未解決から推論へ、人工知能は②SNである。  
      C:情報の認知1は③その他の条件、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は②問題未解決から推論へ、人工知能は②SNである。
      D:情報の認知1は③その他の条件、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は②問題未解決から推論へ、人工知能は②SNである。  
      E:情報の認知1は③その他の条件、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は①計画から問題解決へ、人工知能は①充足ある。     

      結果  
       
       肺癌で入院していた母の死後、一年経って「水」を書き終えた古井由吉は、当時身辺が取り込んでいて体力も限界にあったため、書き終えたときに初めて自足した文章が書けたような気がしたそうである。合わせて最後に水を求めた入院時の母を考えると、「生の渇きとコップの中に静止した水」と「充足とSN」という組が相互に作用する。

      花村嘉英(2020)「古井由吉の『水』の執筆脳について」より

    3. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える6

      【リレーショナル分析2】 

      情報の認知1(感覚情報)   

       感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、①ベースとプロファイル、②グループ化、③その他の条件である。   

      情報の認知2(記憶と学習)   

       外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、①旧情報、②新情報である。 

      情報の認知3(計画、問題解決、推論)   

       受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、①計画から問題解決へ、②問題未解決から推論へである。 

      花村嘉英(2020)「古井由吉の『水』の執筆脳について」より

    4. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える5

      分析例

      1 母親が最後に水を求める場面。  
      2 この小論では、「水」の執筆脳を「生の渇きとコップの中に静止した水」と考えているため、意味3の思考の流れ、SNに注目する。  
      3 文法①現在形②過去形③未来形、意味1①視覚②聴覚③味覚④嗅覚⑤触覚 、意味2 ①喜②怒③哀④楽、意味3 SN①あり②なし、意味4振舞い ①直示②隠喩③記事なし
      4 人工知能 ①充足、②SN    
       
      テキスト共生の公式   
       
      ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「生の渇きとコップの中に静止した水」を作る。
      ステップ2:購読の解析の組と執筆脳の「充足とSN」という組を合わせる。  

      A:②過去形+①視覚+③哀+①SNあり+①直示という解析の組を、①充足+②SNという組と合わせる。
      B:②過去形+①視覚+[①喜+③哀]+①SNあり+①直示という解析の組を、①充足+②SNという組と合わせる。  
      C:②過去形+①視覚+①喜+①SNあり+①直示という解析の組を、①充足+②SNという組と合わせる。 
      D:②過去形+①視覚+③哀+①SNあり+①直示という解析の組を、①充足+②SNという組と合わせる。
      E:②過去形+①視覚+③哀+①SNあり+①直示という解析の組を、①充足+②SNという組と合わせる。   

      結果  表2については、テキスト共生の公式が適用される。

      花村嘉英(2020)「古井由吉の『水』の執筆脳について」より

    5. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える4

      【連想分析1】
      表2 受容と共生のイメージ合わせ

      母親が最後に水を求める場面

      A おふくとも、死期をやはり感じ取っていたのだろうか。肺がんの疑いが濃くなって、結核病棟から内科の個室に移された時には、日当たりの良くなったことを喜んでいた。レントゲン写真がひどかった。
      文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
      B それでも、典型的な症状が出ないので、医者の診断は揺れ動いた。そのたびに家族は一喜一憂した。家族が一喜一憂しながら、けっこう自分の関心事にふけっている間、おふくろはあの病室で掛蒲団を小さくふくらませて寝ていた。考える時間が多すぎた。文法 2、意味1 1、意味2 1+3、意味3 1、意味4 1
      C 医者の診断が明るいほうへ動いた時期だった。二日前に見舞いに行くと、おふくろは寝床の上に起きて、こうしていてもらちがあかないだとか、こんな調子で半年も一年も個室にいては費用がかさんでしようがないだとか愚痴を並べた。文句が出るのは良くなった印だと、その時は考えた。
      文法 2、意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 1
      D 翌日は季節の移り目のひどい雨だった。そんな日には、病状の思い患者はたいてい息苦しさを訴えるという。午前の回診の時に医者がそのことを言って、息苦しくありませんかとおふくろにたずねた。ちっとも息苦しくありません。とおふくろは答えた。その夜半過ぎから、呼吸困難に陥った。
      文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
      E 次の夜、明け方が峠だと言うことで病室につめていると、八時過ぎに、荒い息をついていたおふくろが目をあけて、「水」と平静な声で言った。水差しを口にもっていくと、咽が力強い音を立てて水を二口飲んだ。それを境に、呼吸もだんだんと穏やかになっていくように見えた。それから、一時間ともたなかった。
      文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

      花村嘉英(2020)「古井由吉の『水』の執筆脳について」より

    6. 古井由吉の「水」で執筆脳を考える3

      3 データベースの作成・分析

       データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
       こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。

      【データベースの作成】

      表1 「水」のデータベースのカラム

      文法1 名詞の格 古井由吉の助詞の使い方を考える。
      文法2 態 能動、受動、使役。
      文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
      文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
      意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
      意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
      意味3 思考の流れ SNありなし。
      意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
      医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。購読脳「生の渇きとコップの中に静止した水」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
      情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
      情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
      情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
      人工知能 充足とSN エキスパート システム 充足は、満ち足りること、意味のネットワークは、一単語から各分野に派生する意味の連鎖。  

      花村嘉英(2020)「古井由吉の『水』の執筆脳について」より