人文科学から情報、メディカルを経由して、社会科学へ向かう


 他の作家のデータベースと地球規模でシステムを構築し、相互依存関係を考察するために、セカンドのカラムも調整の材料とし、作家としての人間の条件に危機管理ないしリスク回避を設けて、病跡学とともに人文から社会への考察を機会があれば試してみたい。
 また、国地域に関しては、地球上のどこもが研究の対象となるため、言語や文化による分け隔てはない。つまり、シナジーのメタファーは、すべての言語に適応可能な研究方法である。
 イメージを作ってみよう。人文と社会の間には文化があり、人文と医学の間にはカウンセリングがある。そして、人文と情報の組でみると、例えば、コーパス、パーザー、翻訳メモリー、計量言語学(購読脳)さらには小説のLのデータベース(執筆脳)があり、一方で社会や医学と情報システムが組をなして全体的にバランスを取っている。イメージの中央にある縦横の人の目は、脳科学の役割を果たし、司令塔としてそれぞれの系列に指令を出すイメージである。
 無論、イメージの中には地球規模として東西南北からオリンピックにまで広がる国地域があり、また、Tの逆さの認知科学の定規と縦横に言語と情報の認知を取るLの定規が含まれている。こうした総合的で学際的な研究が人生をまとめるための道標として、近い将来、人文科学の研究者の共通認識になっていくとよい。
 私の文学分析は、まず人文、文化から情報、メディカルを経て個々の作家の小説のデータベースを作り、次に集団の脳の活動としてランダムなそれぞれのデータベースの分析を社会科学的にまとめるという流れである。その折、作家を危機管理者という条件でリスク回避を集団で試みていると考える。

花村嘉英(2018)「ナディン・ゴーディマと意欲」より


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